病院は古くて、清掃用の薬品の匂いが強かった。電気が点滅していて、頭痛がしてしまった。ずっと強くレネの手を握っていた。事務員にiPadをもらってたくさんの質問に答えた。医者が奥から出てきて「カー、えっと、ビッキヱバー様、どうぞお入りください」と言った。あたしとレネは立ち上がって医者はすぐ「あ、今はビッキ様だけ」と言った。あたしの顔は赤くなって「嫌だ、嫌だ」と言ってレネは肩に触って「大丈夫だよ、後で入るから」と言ったから医者と一緒に診察室に入った。
医者は「DVアンケートの答えがちょっと危うかったですよね」と言った。「いや、違うよ、レネはDVなんてしないよ、あたし大丈夫だよ」と答えた。医者は「でも、六番を見てください、『セックスをしたくないけどパートナーに迫られた』と七番『自分が酔っ払ってもパートナーにセックスをさせられた』という質問で両方とも「はい」と答えたよね。」と説明した。しばらく黙って考えた。「いや、本当のことだけど、問題じゃないよ、犯されたわけじゃなかったよ、いつもやってるし、やりたいんだよ」と言った。医者はあたしの目を見て「酔っ払ってもセックスをさせられることは犯されることですよ、ビッキ様、本当に深刻です」と言った。泣きながら「こういう話はしたくない、薬がほしいから来たよ」と言った。
涙が出ている間に処方箋を持って待合室に戻った。レネはびっくりして「ビッキ、なんで泣いているの、何が起こったの」とうるさく言ってみんなはあたしを見た。恥ずかしくて複雑な感情を感じていて手で顔を隠して病院から走り出た。
何も言わずにレネの家に着いた。レネは車を止めて「芋姉ちゃん、大丈夫なの、アニメか映画を見たいの」と聞いた。「うん、キアヌ・リーブスの映画見たいよ、My Own Private Idaho見たいよ」と答えた。シェイクスピアの話から作られてとてもいいクィアの話だから My Own Private Idahoはあたしの癒しの映画だった。
あたしとレネは一緒に寝込んで同じ小さなテレビでMy Own Private Idahoを観ていた。でも、一つのシーンを忘れた。そのシーンは、体を売っている人たちの悪い経験についての話だった。その人たちの中で薬を盛られて犯された経験が多かった。映しているときに、何も思わなかったけど、レネの顔を見て涙がだんだん出てきていた。
急にレネは「ビッキ、ごめんなさい、わかるよ」と言った。「えぇ、なんで誤っているの」と聞いたけど彼女の返事は「アタイ、ひどい人間だね」で涙はどんどん出てきた。「アタイの大好きなビッキを犯したよね」と言った。レネの涙を見るのは難しくても「いや、医者の言う言葉は違うよ、愛しているよ」と言った。レネの泣き声も聞きにくかったけど彼女が「許して、くれない」と言ってしまった。はっきりなんで許しているかわからなかったけど「もう許したよ」と言った。